着物をこれから買う人もいらっしゃるかと思いますが、お母さまやおばあさまのお着物を着られる方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
着物って安く買えるものでもないですもんね。実家にあるならそれを活用するのが一番!
着物は洋服ほど体型を選ばず、仕立て直せば3代に渡って着ることだってできます。
でも着物をたくさん持ってきたって収納どうしよう・・・
今回はマンション住まいのわたしの実践方法をお伝えします。
実家にたくさんあるお着物、これから自分で着たい!
こんなに眠っていたの!?実家の着物事情
わたしの実家には大きな桐ダンスがドーンと置いてあり、振袖や留袖から付け下げ、大島紬、小紋、羽織、浴衣、果てはレインコートまでしまってありました。
祖母が母と叔母のために仕立てたらしいです。
ひと昔前はそうするのが普通だったのよ~なんて母は言ってましたが、うらやましい限りです。
わたしにもあつらえてくれ(笑)
しかもですよ、母はほとんど着ていないっていうから驚き。
中には仕付け糸もとれてないものも結構ありました。オイオイ!
綺麗な生地できちんと仕立て上げられたお着物たちが30年もずっと桐ダンスで眠っていたわけですよ・・・号泣。
そんな数あるお着物、全部持って帰りたいけどうちの収納じゃ・・・
そもそも着物のサイズがすべてあっていませんけども。
身幅や身丈もですが、一番は裄。
手首のさらに上5cmほどが丸見え。トホホ・・・
よって仕立て直しは必須なんです。そしてそれだけお金もかかると。
とてもじゃないけど一気に全部を仕立て直しする余裕なんてありません。
そうしたときに、これから着物を着るであろうシチュエーションを考えながらピックアップしないといけないわけです。
着物を着る今後のシチュエーションを想像してピックアップ!
わたしはこれを書いている現在33歳で既婚、もうすぐ2歳になる男の子の育児真っ最中です。
直近で着物を着られるかな?と思ったのは子どものお宮参りでした。
ですが、なんといっても授乳しないといけなかったので着物は到底無理とあきらめました。
中にはお宮参りだけお着物にして、授乳のタイミングでお着替えされるママもいるみたいですけどね。
で、前にも記事にしましたが結婚式のお呼ばれ。
大学時代の友人が1回、弟が1回とありますので、これは絶好の着物チャンス。
なぜか訪問着がなかったので、振袖をリメイクすることで訪問着に。
あとは紋付色無地がありましたのでこの2つをピック。
あとは子どもの七五三や入学式・卒業式の類でしょうか。
つまりはフォーマルなものなんですよね。
小さい子供がいて、カジュアルなお着物を着てちょっと銀座へ・・・なんて無理すぎる。
素敵なママですけどね、絶対不可能です。
もし子供がもう少し大きくなって銀ブラが可能になったら普段着にもチャレンジしたいところ。
よって、今回は実家から以下をピック。
- 振袖×2
- 付け下げ×1
- 紋付色無地×1
- セミフォーマルで使えそうな小紋×3
- 袋帯×3
- 名古屋帯×5
これだけでも結構な量です。
さて、どう収納したものか・・・・
収納をちゃんとしていないとこんなことに。。。悲惨な例
前述したとおり、実家には立派な桐たんすがあり、そこにすべて収納されていました。
着物にはやっぱり桐が一番ですので、そこは良いのですが、問題は中身。
たとう紙も、いつの?ねぇコレいつの?的な感じに。
防虫剤なのか防湿材なのか、よくわからない残骸もある。
たとう紙もカビと思わしきシミがたくさんついてたので中がほんと心配になります。
で、一番ひどかったのがコレ。
胴裏がカビだらけですね。
でも胴裏に続く八掛は見事に無事なんですよ。
なぜ・・・!?
ちょっと調べたところによると、糊の使用によるものだそうです。
ここまでくると染み抜きやクリーニングより胴裏の交換が良いようです。
こんなことにならないように、収納環境をしっかりと整えてあげましょうね。
着物に良い保管環境
着物の大敵は湿気です。
カビがはえるのも、虫がわくのも湿気が原因。
特に最近のマンションは気密性が高いので、着物をしまいっぱなしにするのは危険です。
ではどのようにしたら良いのでしょうか?
対策1:虫干しをする
昔からとられてきた対策ですね。年に2回くらいでよいので、着物を出してあげて通気性の良い部屋で干しておきます。
着物ハンガーに裏返して干すのがコツ。
また日焼けしないように日当たりには気を付けて。
それから、これは例の悉皆屋のおじさまにご教示いただいたのですが、着物を干すときは裾に注意です!
こんな感じで裾をちゃんと地につけるんです。
お着物を干すと重力がかかり、下へ重さも降りてきますよね。
そうすると八掛と身頃のすそ部分がボワ~ンと膨らんでくるんだとか。
でも実際、地面につけてかけられるような環境にはないですよね、写真のような着物掛けでもないと。
そういう場合は、着物の裾がかかるようにテーブルを下に持ってくるとかでOKだそうですよ!
着てあげることが最高の風通し
着物を着ることが最高の風通しになります。
着たあとはきちんと陰干しして、しまう前のチェックを怠らなければ、着物のケアもばっちりです。
着た後のケアについてはまた別途記事にしたいと思っています。
たとう紙も交換する
ヨレヨレのシミだらけになっていた実家のたとう紙は論外ですが、たとう紙の黄ばみはお着物にも移ります。
少し毛羽だってきたり、少しでも変色してきたような気がしたら交換してあげましょう。
ネットで購入できますし、安ければ1枚200円ほどで買えます。
和紙がふにゃふにゃしているのは水分を含んだ証拠で、着物の水分も吸われてしまっていますからね。
防湿剤・防虫剤を入れる
着物用でなくても、一般的な防虫剤でOKらしいのですが、わたしは「きもの用」となっているものをオススメします。
薬剤入りの袋はモチロン着物に直に触れさせてはいけませんから(変色などの原因になります)、シート状の防虫剤と調湿剤がセットになっていたりして便利です。
それから、使うときは1種類にするのがベター。
併用すると薬剤が化学反応を起こし、これまた変色の原因になったりします。
中にはOKな組み合わせもあるようですが、そんないろいろと使わなくても大丈夫だと思います。
収納方法を考える
桐製品に収納する
一番は桐のたんすです。
桐は湿気により伸縮するため、引き出し内の湿度を一定に保ってくれます。
外気の湿度が高くなれば、桐も膨張して隙間を埋めてくれます。(=中の湿度は低いまま)
逆に外気の湿度が低くなれば、桐は収縮して風通しを良くしてくれるわけです。(中の湿度も同じように下がる)
すごいですね~桐!
値段がかわいくないのも納得、、、かな。。。
立派な桐たんすがあればベスト、最近では桐のキャスターつきワゴンや桐の衣装ケースなんかもありますから、そういったものを活用するのも手です。
![]() 桐衣装ケース 桐衣装箱5段(キャスター付)幅95cm高さ55cm衣裳ケース桐衣裳箱和タンス和箪笥和たんす防湿防虫衣替え整理タンスたとう紙桐タンス桐箪笥桐たんす衣装タンス衣装箪笥衣装たんす和服着物和室和風
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お値段もかなり抑えられますね。
プラ衣装ケースで収納
着物の収納で調べると、無印のプラケースでの収納方法が結構ヒットします。
三つ折りにした着物がピッタリのサイズらしいですね。
桐たんすに比べて調湿性は劣りますから、下にすのこを引いて通気性をよくするのがおすすめ。
頻繁に引き出しを上げて風通しもしてあげたほうがよさそうですね。
和紙の収納ケース
トップ画と同じです。
悉皆屋さんに、マンションの収納に困ってて・・といったら、いったんはコレで。と頂きました。
普通に納品用に使う和紙の着物収納箱なんですけどね。
例えば自分で洗える化繊のお着物なんかだったらコレでいいんじゃないでしょうか。
和紙仕上げでみてくれも良いですし笑
わたしの実践する着物収納
さて、わたしの状況をまとめますと・・・
- 着物総数10枚程度
- 一般的なたとう紙サイズでの収納幅がない
- 桐の衣装ケースを買う予算なし・・・ガクッ
こんな感じです。
マンション収納に向いた桐の衣装箱をゲットできたら一番だったんですけど・・
そもそも桐の収納って90cmとか100cmとかばっかりなんですよ!
クローゼットを総入れ替えしてスペース作ったら可能かもしれないけど、それでも80cm台じゃないと・・・
桐の衣装箱でちょうどいいサイズのものがありましたが、7万ほどしていまして・・・
いずれは!という名目で今回は見送ります。
タッパーウェアのロングスーパーケース
そして選んだのは「タッパーウェア」です。
みなさんご存じタッパーに衣装ケースがあるの知ってました?
無印のプラケースでもよかったんですが、それより気密性の高いタッパーならなお安心かなと。
タッパーウェアのスーパーケースなんですが、サイズは 縦80.9×横38.2×高さ15.8cm です。
だいたいたとう紙のサイズって83cm~って感じです。
桐の衣装ケースでも100㎝幅が一番多かった気がしますし。たとう紙入れてもゆったり~ってことですね。
よってタッパーではたとう紙ごとは入りません。
お着物そのまま入れられてる方もいるようですし、なんならたとう紙ないほうがベターとも聞いたりしますが、わたしは使っております。帯用を。
これに着物を三つ折りにしていれています。
ただ、これまたしっかりたとう紙に包んで入れると上下がたわむんですよ、ほんのちょっとだけ。
なので、こういう方法をとってます。
両サイドだけ残して、上に重なる部分を両方とも下へ折り返しているんです。
上に来るたとう紙内部が着物には重なるから同じようなものかと・・・多分・・。
この状態でケースの幅にあわせて入れております。
最後に防湿・防虫剤をセット。
写真ではわかりづらいですが、両サイドは結構あいてます。バッグぐらいなら入っちゃいますよ。
このケースを2つ、クローゼットの上部にしまっています。
湿気は下にたまりますので、上部のほうがベターです。
本来は上にあるバッグ類を並べていたスペースを無理やり開けたのでかなり手狭・・・致し方なし。
帯や小物類はプラ衣装ケースへ
さて、ロングスーパーケースだと一個で袷のお着物5枚でちょうど良いです。
三つ折りだと両サイドに空きが出ますので、そこへ小物を収納しても良いかと思います。
わたしは帯用に、もともと洋服をいれていた収納ケースの1段をあけていれています。
そこへ着付け小物や和装ヘアセット関係も全部。
小物の収納法は改めて記事にします。
マンションだからってあきらめないで!着物を大事にする気持ちがあれば大丈夫
風通しの良い昔ながらの大きな家で、立派な桐たんすに収納してあげられれば良いのですが、現代でそれはなかなか難しい。
でもその状況にあったベストな保管環境を作ってあげられれば着物もきっと甘んじてくれるはず(笑)
大切にしようとする心意気が一番大事ですね。
かなりズボラなわたしが言っても説得力はあまりありませんがっっ(〆がコレかい!)
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