成人式で着た振袖、どうしてますか?
まだご結婚されていない方はぜひそのままとっておいて。
未婚女性の正礼装は振袖です。華やかになるので、結婚式のお呼ばれにはもってこい。
迷うのは既婚の方。娘さんがいるならとっておくもよし、大事な着物が受け継がれるのはとても素敵なことですよね。
わたしは訪問着にリメイクしたのですが、やる前とやった後での感情の変化や、細かいポイントをまとめてみました!
とても気に入っていた振袖。着れなくなったらどうする?
成人式で着たこの振袖。
母のものだったのですが、クリーム色とも金色とも言われぬ色が大好きでした。
綸子の光沢がとても綺麗で、着物だけでもまじまじと見ていられる一着。
さて、結婚し子供もいるわたしはもう振袖を着ることはできません。
こんなに美しい着物を前にして手も足も出ないもどかしさ・・・
とはいえ妹がいるわけでも娘がいるわけでもない。
だいたい、他の人に着てもらうというか、自分がもっと堪能したい←
そこで思いつくは、袖きれば訪問着になるんじゃね?という(相当安易な)考え。
ネットで調べてもやってはいけないことではない模様。
いろいろ制限はあるっぽいけど・・・とりあえずプロの意見を!
なにはともあれ悉皆屋さんへ持っていこう
近所に悉皆屋さんがありましたので、相談に。
そのときは結婚式に着ていきたい気持ちもかなり大きく、「切りたいんだ、俺やってやんよ!」みたいな気持ちが伝わってしまったのかもしれません。
悉皆屋さんも結構前向きに色々と教えてくださいました。
ちなみにこのとき持って行ったのが、先の振袖ともうひとつ。
注意書きね(笑)
いや、左前のことは写真アングルのことで別途記載する予定です。自撮りのときは要注意でっせ。
そしてさらなる言い訳は、披露宴と2次会のすきま時間で、急いでたこともあり帯締めズレてるんだよということ。
このときが最期の振袖姿・・・。
こっちは大学の卒業式で袴と合わせて着たこともあったなぁ。
いやしかし先の成人式の写真もそうだけど、おはしょりね(笑)
当時は出てりゃいいなんてもんでしたが、今見返すと割と心から恥ずかしいっすね。
おはしょりってどうやねん問題もありますが(いつか書きます)、綺麗におはしょりを出してキリリとした着姿をたくさん見てしまうとやはり目もあてられんぜ!
さて話を戻して、振袖を訪問着にするということはどういうことなのか。
実はそんなに簡単な話でもないのです。
振袖を訪問着にするということ
袖丈だけの違い?
そもそもの発端は、子持ち既婚になって初めての結婚式の出席に何を着ていこうかということから。
ちなみにそのときの心境はコチラにて。

このサイコーにクール()な振袖を着ていけるなんて!そんなうれしいことはない!
思い込んだらとまらない、欲しいと思ったら必ず手に入れたい、欲深で俗悪な人間だもんで、もう突き進むのみ。
というわけで、アンティークっぽい仕上がりになるだろうという感覚で袖丈をカットすることに。
そこで登場するのがもうひとつのピンクの振袖。
こちらは保管状態の話も聞くためにもろもろ持参したお着物のひとつだったんです。
ちなみにレベルで話を聞いてみると、こっちは柄行から袖のカットが難しいということ。
柄行をチェック
詳しく見てみましょう。
さきほどのアップですが、柄が全面に入っているのわかりますかね。
要は切りどころがないんです。
特に葉っぱが縦に伸びるように描かれていて、そこがブツ切りのような印象になってしまう。
悉皆屋さんも、なんとか柄行残してやるなら・・・とか試行錯誤してくださいましたけども。
それならやっぱり振袖という形で保管していたほうがいいね、という結論に。
で、同じ理由でクリーム色も難しいんじゃないかと思っていたんです。
それが意外と大丈夫だった。
かなり大柄のダリア牡丹(コメントよりご指摘頂きました、以下訂正します)が入っているため、逆にそれを活かしたカットができると。
before/afterで確認!振袖から訪問着になったお着物
百聞は一見に如かず。
画像でドバドバ見ていきましょう。
まずはbefore
振袖時代のもの。
そしてafter
部屋で、しかもきものハンガーでの撮影で一気に雰囲気が伝わりづらく・・・
申し訳ありません。
前と後ろです。
袖部分がかなりわかりづらいですが、先日の結婚式のときのもの。
うんうん、わかるよ!わかる!
「えっ・・・パンパンやん、デb・・・」
こっちから、ね!言い訳をね!聞いて!

肝心な袖部分にフォーカスしてみましょ~
振袖を訪問着にリメイク、袖部分はこういうことになる
振袖のときはこういう状態。
つまり一番キレイな牡丹がいなくなるんです。
しかもグラデーションのオレンジ色も。
身頃部分にもしっかりグラデーション入っていますから、バランスは崩れてしまいますよね・・・
(ちなみにこの着物、共八掛で裏もきちんと牡丹柄入ってるんですよぉぉぉ~昔の着物ってホント綺麗・・)
結果こうなりました。
右側の袖表と左の袖裏にオレンジの大きな牡丹が残りました。
やっぱグラデが消えたのは残念ですね。
ちなみにカットされた布たち。
このあまり布、捨てるには勿体なさすぎる!
リメイク方法もあります。

ちなみに、すでに袱紗(ふくさ)をひとつ作っています。

ふくさはなかなか良いチョイスだったと満足しています(・∀・)
後悔しないように慎重に・・・周りの意見もちゃんと確認してね!
実は、、、、
わたしは少しだけ後悔している部分も。
なんといっても、訪問着として着られる着物でなかったがためです。
知識もなく思い切ってやってしまって、それでも娘がいない状態で、わたし自身がまだあれを着たい!という気持ちが強かったから、その気持ちを満足させるのは成功しました。
なんなら、お正月にでもまだ30代ならやってやれないことはないかと。
ただその先はやっぱり無理かなと。
柄行として無理。
だいたい、訪問着ってこんな派手派手しいものじゃないんですよね。
切ると決めたときはそのへんが全くわかっていなかった。
ていうか「訪問着てなんでこんなおとなしめな柄ばっかなん。。。」
とか思ってましたからね。アンティーク着物が素敵だと。
いやもちろんアンティーク着物も素敵なんですけど、数か月にして既に趣向が変わり。
美しい訪問着を見ればみるほど、いわゆる訪問着ってのが素敵に思えてくるもんです。
ましてや結婚式なら、フォーマルな場なら、今回リメイクしたような着物はちょっと場違い。
自分が主役でないときはやっぱり控えめな一着にしたいですよね。
そこにスパイスをきかせるのが品格かと。
そして悉皆屋さんに聞いた話ですが、お着物って受け継がれることも多いため、親子でもめるらしいです。
母親の着物を了承なく切ってしまったりリメイクに出してしまったり。
仕立て直しと違って、ハサミを入れてしまうともう二度と戻せませんからね。
大事なお着物だからこそ、実は知らない思い入れがあるかもしれない。
周りへの相談も大切です。
ちなみにうちは一番着物を想っているのがわたしというね。
母親なんか、好きにやっちゃいなさいって感じですよ笑
結果、やってよかった、でも少し後悔もある。そんな感じです。
絶対また着る機会作ってやる!
そして今度こそ着物にフォーカスした写真を撮らねば!笑
コメント
すてきな振袖ですね。
いずれ着付けの資格も取りたいと書かれていましたので、コメントします。
このお花、富貴の象徴の牡丹(ぼたん)です。ダリアではありません。
悉皆やさんは説明してくれませんでしたか?
ご指摘ありがとうございます!単なる私の考えなしでの記載でした。
振袖に富貴の象徴とあらば意味するところがありますし、訂正いたします。
教えてくださりありがとうございました。